「つらい時こそ一歩前進…」

クラウドファンディング32日目となりました。

今日は、これまで15年間続けて事業に御協力いただいている、山田先生にサマチャレに対する思いを書いてもらいました。

               市立砺波総合病院 整形外科 山田泰士

  「真夏の炎天下に100km以上も歩かせて、何かあったらどうするの?」とつぶやいたことを思い出す。「となみ野サマーチャレンジ」の前身である「となみ野100km徒歩の旅」の救護の依頼が初めてあったとき、正直そう思った。それでも、すでに全国各地で行われていることを知り、救護を引き受けることにした。

 実際に行ってみると、不調を訴えられる小学生にどのように対応していいか最初はとまどった。通常診療では採血、画像検査、心電図検査などの検査をして状態を確認できる。しかし、症状だけで判断せざるを得ない。病院へ連れて行こうか、やめさせようか、いや頑張ってもらおうか、と判断に迷った。医師としての眼力と判断力が試され、私自身の成長の機会だったように思う。

 数年経ったところで、医学的に調査してみようと思い、参加者の障害をチェックし分析することにした。散水、強制飲水、足部のワセリン塗布などの対策により、重篤な障害はなかった。さらに意外なことに、初日と二日目に障害が多いことがわかった。これは、毎年同じような傾向がある。疲れがたまってくる後半にトラブルが多いように思われたが、実際は、そうではなかった。その理由は、この事業を通して小学生が成長した証であり、小学生同士のつながりが大きな力になるのではないかと考えている。この結果は、日本整形外科スポーツ医学会で発表し、論文は学会誌に掲載された。

 救護をしていて、素敵な景色が3つある。一つは、遅れそうになる小学生のリュックサックを同じグループの仲間が支える姿である。二つ目は、ゴールで歓声をあげたり、泣き出したり、抱き合ったりする様子である。三つ目が、各々のTシャツにメッセージを書きあうことである。小学生が寄せ書きのようにメッセージを書いてくれたTシャツは今でも私の宝物である。メッセージを求められると「つらい時こそ一歩前進、見える景色が変わる」と書いた。小学生に思いは伝わったと信じている。

 この言葉は自分自身へのメッセージでもある。最初に救護の依頼があった時、断っていたら、たくさんの感動的な景色を見ることはできなかった。小学生に見せてもらった景色は、多くの人を笑顔にしてくれ、私自身に力を与えてくれた。今年の夏も「つらい時こそ一歩前進」…素敵な景色が見たい。

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