サマチャレ
歩いて発見!となみ野サマーチャレンジについて
事業趣旨
○青少年の健全育成のために
現在の日本社会は物質的には大変豊かで便利になりました。子供達もその環境の中で、欲しい物が何でも手に入り、暑さ寒ささえも我慢する必要が無くなっています。また、核家族化が進み兄弟が少ない環境では、昔の様に3世代がそれぞれおもいやりを持って生活するのがあたりまえだった頃とは違ってきています。日々の生活のために、家族の仕事を手伝うことが『お手伝い』という特別な事の様になり、甘やかされて育つ環境が整っています。その事が、自分さえ良ければという個人主義的な考えを助長する状況をつくり、メールやインターネットによる情報交換は、ゲームだけでなく実生活もバーチャルな感覚にし、人間関係も希薄になりつつあります。
結果として、普段の生活では苦しい状況を自ら克服する事や、目的に向かって努力をし何かを成し遂げるといった生き甲斐を実感する経験が不足し、その事がイジメや、自殺、ひきこもり、キレるといった社会問題に、少なからず繋がっていると感じます。人間の内面的な「忍耐力」「協調性」「創造力」「積極性」「自分自身で問題を解決していく力」「優しさ」「たくましさ」等と言ったことは、言葉や知識として理解するのでは無く体験を通して身につけていくものです。
この事業は、通常の生活とは違った厳しい環境で、子供達が自らの力で4泊5日をかけてとなみ野の名所旧跡を訪ねる歩く体験型事業です。普段5kmも歩いた事の無い子供達は、炎天下の中、暑さと闘いながら1日30km近くを歩きます。顔も知らない仲間と声を掛け合いながら、集団生活での基本ルールを身につけ、学生や社会人のスタッフにサポートされて生活をします。この事業を通して、学校や家庭ではなかなか実現できない体験教育を実践し、未来を担う子供達の健全育成につなげたいと思います。
○地域スタッフの育成とネットワークづくり
地域との繋がりが希薄になっていると言われていますが、個人主義的になっているのは子供 達だけではありません。この事業実施に向けて、学生や社会人のスタッフには150時間を超える研修に参加をしてもらい、社会人基礎力を中心とした様々な人間力を体験を通して高めてもらいます。また、事業期間は子供達と本気で向き合う中で、通常生活では経験できない学びがあります。
まちづくりは人づくりと言われるように、この事業で育った人材が単に個人のスキルアップに終わらず、公共心を持って地域の様々な活動に取り組んでいくことが、地域の魅力を更に高める事にも繋がると考えます。